【太陽光発電を設置する際、何の申請が必要?】
2025.06.02
みなさんこんにちは。テクノナガイソラーレ設計部の今野です。
太陽光の基礎知識シリーズ、第三弾は「太陽光発電を設置する際の電力申請」についてです。
先日営業部の方から売電を行う際の「経済産業省への申請」についてご紹介しておりましたので、
設計部からは発電を開始するための「電力会社への申請」についてご説明していきたいと思います。
電気の契約種別(低圧か高圧か)や売電のある・なしによって回答までの期間が大きく異なりますので、ご検討中の皆様のご参考になれば幸いです。
~~目次~~
- 法人《完全自家消費》の場合
法人のお客様の多くは、電力会社と高圧での電気契約をおこなっているかと思います。電気契約が高圧の場合、太陽光を設置した際の電力申請も高圧用のものが必要となります。高圧用の電力申請を行う場合にまず注意したいのは、設置する太陽光で売電を行うのか否か、という点です。
まずご説明するのは売電を行わない《完全自家消費》の場合についてですが、この場合の申請はとてもシンプルなものになります。
売電を行わない場合、<契約申込み>というもののみで申請が完了します。電力のHPから必要書類をダウンロードし、必要事項を記入、添付書類とともにメールで申請を行います(電子申請も可能となります)。
申請を行ったのち、設備の出力が500kW以上の場合は3カ月、それ未満の場合は2か月で申請に対する回答が届くので、それを元に連系日を調整します。
ここで一つ注意が必要なのが、回答までの期間は書類の不備不足が解消され、正式に受付が開始されてからという点です。例えば6月1日に申請、その後電力から不備不足の連絡が来たためそれに対応、6月15日にようやく受付となった場合、回答予定は8月15日(500kW以上の場合は9月15日)となります。
一方、6月1日に申請、不備不足の連絡が来ていたのにそれを放置していた場合、いつまでたっても受け付けはされず、電力からの回答も遅れるばかりとなってしまいます。
法人《完全自家消費》の場合、基本的には発注・工事期間>電力申請期間となることが多いため、工事完了までには電力申請を完了した状態にしておきたいですね。
- 法人《売電あり》の場合
完全自家消費(売電なし)の場合は2~3カ月で申請完了となりますが、売電を行う場合は倍以上の期間が必要となります。必要な申請工程が増えるためです。
売電を行う場合、まず<接続検討申込み>という申請を行います。この申請は、回答までにおおよそ2~3カ月を要します。(場合によっては、事前に<事前相談申込み>を行う場合も・・・)
その後、《完全自家消費》と同じように<契約申込み>を行うのですが、なんと《完全自家消費》の時とは異なり、回答までに6か月もかかってしまうのです!
この時点で既に半年以上(修正対応や検討料・負担金の支払いも含めると1年近く)かかっておりますが、ここからさらに売電を行うための申請が必要になります。
内容については以前の記事でご紹介したため割愛いたしますが、通称FIT・FIP認定と呼ばれる申請で、こちらも認定取得までにおおよそ2~3か月かかります。(FIT・FIP認定を取得せずに売電を行う場合は、こちらの申請は不要となります)
※認定までにかかる期間は申請時の混雑具合によって異なるため、電力申請のように〇〇カ月と決まっているものではありません。
また、FIT・FIP認定の申請は年度ごとに申込期限が定められており、それ以降となる場合は翌年4月からの申請開始を待たなくてはいけません。年度が違えば取得できるFIT単価も当然異なるため、いつまでになんの申請をして~~とスケジュールを確認しましょう。
このように《売電あり》の場合、ざっと見積もっても申請に1年前後かかることになるため、工事を先に終わらせて後は申請が終わるのを待つだけ、というケースがほとんどです。申請が遅れると発電開始も遅くなってしまうため、滞りなく手続きを進めていけるかが重要となります。
- 住宅・小規模法人の場合
個人住宅のお客様や、事務所・小規模事業所などのお客様の場合、電力会社とは低圧での契約を行っていることと思います。低圧契約の場合、売電のある・なしに関わらず、電力会社への電力申請は、<契約申込み>のみとなります。
必要書類も高圧申請と比べると少なく済み、おおよそ2週間~1か月程度で電力からの回答が来ます。売電の申請と合わせても半年未満で申請が終わるため、比較的短期間で太陽光の電気を使用することが可能です。
弊社では電力申請のみのご依頼もお受けしております。単線結線図の作成から書類のご用意~電力会社とのやり取りまで、お客様の設備が円滑に発電開始できるよう、弊社で責任をもって申請の手続きを行わせていただきます。
まずはお気軽にご相談くださいませ。
※電力申請につきましては自社の繁忙期等の事情ですぐに着手できない場合、お断りさせていただくケースもございますのでご了承ください。
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。
それでは次回もお楽しみに~~~。