注目の次世代技術!【ペロブスカイト太陽電池】
2025.07.10
2025年6月、経済産業省が「太陽光発電の設置を実質義務化する方針」を発表しました。
弊社の過去記事でも紹介しておりますので是非、ご覧ください。
2026年度から工場・店舗屋根への太陽光義務化へ【経済産業省の新方針とは?】
設置を検討することが義務化されていくなか、
実際は「設置できる面積が少ない」などの声が多いのも現実です。
そこで、新しく注目されているのが「ペロブスカイト太陽電池」です。
=======目次=======
⒈ ペロブスカイト太陽電池とは?
「ペロブスカイト太陽電池」とは、ペロブスカイトという特殊な結晶を用いる
次世代型太陽光電池の一種です。
電極などを重ねても、厚さが1㎜ほどと非常に薄い
といった特徴があり、耐荷重の小さい屋根や壁、窓にも設置がしやすいと言われています。
例えば、建物の壁や窓、ビルの外装、さらには車のボディにも設置できる可能性があります。
これまで太陽光をあきらめていた場所にも使えることは、大きな魅力です。
⒉ ペロブスカイト太陽電池の種類
ペロブスカイト太陽電池には大きく3種類あります。
①「フィルム型」
・軽くて薄く、曲がるため、薄い屋根や壁に設置することができる。
・日本が開発をリードしている。
・耐久性に課題あり。
②「ガラス型」
・窓ガラスなどの建材として使える。
・耐水性が高い。
・海外と競争が激化している。
③「タンデム型」
・従来の太陽光パネルと組み合わせることで発電効率が高い。
・太陽光パネルの生産は中国に依存している。
など、それぞれ特徴があり、
中国や欧州でも大量生産に向けた動きが盛んになっているため、国際競争は激化しています。
⒊ ペロブスカイトのメリットとデメリット
ペロブスカイト太陽電池のメリットをまとめます。
< メリット >
① 軽い・薄い・柔らかい
→ 壁や窓にも張ることができるので、設置の自由度がとても高い。
② 製造工程が少なく、大量生産が可能
→ 材料をフィルムなどに塗布・印刷して作ることができるため、低コスト化が見込める。
③ 主要材料が日本でもシェアが高い
→ 原材料に使われるヨウ素は、日本の生産量が世界シェアの約3割を占めている資源のため、
他国に頼らずに安定して確保でき、経済安全保障の面でもメリットがある。
一見メリットばかりあるペロブスカイト太陽電池ですが、当然デメリットもあります。
<デメリット>
① 耐久性に課題
→ 紫外線や湿気に弱く、長持ちさせるためにはより技術が必要。
※従来のシリコン系太陽光パネルの耐久年数は約20年以上。
② 量産体制がこれから
→ 一部企業が工場整備を進めていますが、本格的に広まるのは今後。
③ 鉛を含む材料もあり環境面での懸念あり
→ 鉛を使わない安全な材料の研究が進められている。
※従来のシリコン系太陽光パネルは一般的にシリコン系が主流だが
一部、鉛なども使用しているパネルもある。
この様に、耐久性であったり、環境面や量産体制がまだ整っていない状況のため
ペロブスカイト太陽電池が、本格普及する見通しはまだ立っておりません。
⒋ 今後の展望
国も、本格的な導入に向けて動き始めています。
〇 国としての取り組み
2025年には、政府施設におけるペロブスカイト太陽電池の率先導入する方針が打ち出され
設置面積など政府施設の調査も既に行われており、今後も導入目標も設定される見通しです。
〇 補助金制度の準備も進行中
環境省は、ペロブスカイト太陽電池の社会実装モデルの創出に向けた導入支援事業を
令和7年度より行っており、これまで太陽光が設置できなかった場所への導入を後押ししています。
経済産業省 『 ペロブスカイト太陽光電池の需要創出に向けて 』
⒌ まとめ
「貼れる」・「曲がる」・「軽い」という新しい技術として登場したのが、
「ペロブスカイト太陽電池」です。
ただし、今すぐにどこでも採用できるわけではなく今は
実証実験や制度づくり、量産化の準備などが進んでいる段階です。
しかし、再生可能エネルギーの設置を検討することが義務化され始めている今
「ペロブスカイトは、現実的か?」と考えると、慎重な自社状況の把握が必要かと思います。
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