パッシブエアコン(全館空調)

空調とは

空調とは『空気調和(Air Conditioning)』を略したものです。
私たちの周りにある空気は、酸素や窒素、二酸化炭素、水蒸気などが含まれており、その中にはホコリやチリ、花粉やウィルスなど有害物質も含まれます。
『空気調和』とは、その空間の用途や目的に合わせて、空気の温度や湿度、清浄度、気流などを適切な状態に調整することを言います。

日本とアメリカの空調文化の違い

実は、日本とアメリカでは空調の仕組みについて全く違う発展をしてきました。
日本では、人がいる部屋のみ暖める・冷やすといった『個別空調』の考え方が主流です。
ご家庭で各部屋ごとにエアコンを設置したりする方式です。

それと異なり、アメリカでは『全館空調』(セントラル空調)が主流です。
これは、建物の1ヶ所に冷暖房装置を設置し、温風や冷気をダクトにより各部屋へと送る仕組みです。
比較的新しい建物に採用され、特に中英部・南部・西部で盛んに使われています。
セントラル空調では、建物の各部屋にダクトで温風や冷気を送るため、どこに行っても温度が一定で管理され、非常に快適な環境となります。
そのため、近年日本で取り沙汰されているヒートショック問題もまったく無縁のものとなります。
また、ダクトにより温風や冷気を各部屋に送るため、エアコンのような冷暖房設備が目に見える場所に置かなくて良いため、部屋の美観が損なわれないことなどの利点もあります。

日本の気候に合った空調

四季の移り変わりがハッキリしており、冬は寒く、夏は暑い日本。
日本特有の環境に対応するため、昔ながらの日本家屋には様々な知恵が取り入れられています。
湿気は地面から伝わるため、湿気対策として家の床下にスペースを作ることにより、風通しを良くして湿気がこもりやすくなるのを避けていたり、木材の調質効果により湿気の多い時は湿気を吸収し、乾燥している時は水分を発してくれるよう、日本ならではの気候に対応できるような作りとなっています。
しかしその反面、湿気対策のために通気性を良くしてあるので、冷暖房の利きが悪いという欠点もあります。

また、近年では夏場の暑さによる熱中症、冬場は部屋の寒暖差によるヒートショックなど、住宅内でも季節特有の健康被害に関して多く取り沙汰されるようになりました。
これはいずれも、住宅内の『空気調和』を行い、快適に過ごせるようにすることで防ぐことが出来ます。

一番の理想は住宅内の温度・湿度差をなるべく少なくして、快適な住環境を整えること。
住宅の室内環境や健康面の観点から、『全館空調』(セントラル空調)が今注目されています!

全館空調システム -パッシブエアコン-

従来の壁掛けエアコンなどは、設置されている室内のみを暖める・冷やす『個別空調』です。
例えば冬場であれば、足元だけ寒い、頭のまわりだけ暑すぎたりなど、身体への負担もあり快適とは言えないこともしばしばです。
そこでテクノナガイがオススメするのがOMソーラー株式会社様の全館空調システム『パッシブエアコン』

こちらの全館空調システムは、エアコン本体を屋根裏に設置し、そこから天井・床下に送風用のダクトを配置することで住宅の隅々まで快適な感度・湿度に保つことが出来ます。
実際の実験結果では、壁掛けエアコンでは風の通り道のみ極端に暖かく、足元が冷たいというようなムラのある状態になっています。
しかし、パッシブエアコンでは床下から暖めるため、足元も暖かく、室内も均等に暖まる結果となっています。

パッシブエアコンの特徴

パッシブエアコンでは、24時間稼働の全館空調で室内全体の温度・湿度を適切に管理するのでとっても快適!
エアコン本体は屋根裏、ダクトは壁内と外観では目立たないところに設置されるので、室内の美観を損なう事なく設置できるのも魅力の一つです。
また、お手入れも本体が1台のみなので、煩わしい日々のお手入れも1台だけでOK。
日常的なお手入れもモニターに出たお知らせ個所を掃除するだけ!タイミングも分かりやすくてとっても簡単です。

パッシブエアコンにより、冬は寒く、夏は暑い日本の四季も快適に過ごすことが出来ます。
例えば冬であれば、暖かい空気は上へと流れるため、エアコンで暖めた空気をダクトで床下に送り、床に設けられた吹き出し口から室内に放出します。これにより足元から暖気が昇っていくため、室内がムラなく暖まりとっても快適です。
また、全館空調により全室内を暖めるため、部屋ごとの温度差も非常に少なくなります。そのため、ヒートショックの心配もなくなります。

夏であれば、局所的な冷房ではなく、冷たい空気を天井に設けられた吹き出し口より屋内全体に均一に送ります。
冷たい空気は下に降りていくため、ゆっくりと室内が涼しくなり、とっても快適です。
直接冷風が当たることによる冷え過ぎや不快感もなく、小さなお子さんやペットがいるご家庭でも安心です。

パッシブエアコンの経済効果

パッシブエアコンは、冷暖房が必要な期間は24時間全館連続空調することを前提にシステム効率が考えられており、最も快適に、省エネルギーに運転されます。
冬季には高気密高断熱の住宅でも就寝時にエアコンを切ると、6時間後には5~10℃室温が低下します。
室温だけでなく、躯体や家具も冷え切った状態から室温を上げるには、数時間フルパワーでエアコンを動かす必要があり、実はとても効率が悪くエアコンを使っていることとなります。

弊社のある新潟県は省エネ基準地域区分に当てはめると、場所によりますが4~5地域となります。
この地域でHEAT20のG1レベルの外皮性能を持つ高気密高断熱の住宅(100㎡程度)では、パッシブエアコンで24時間全館連続空調を行っても、冷暖房コストは年間36,000円程度、月平均にならすと3,000円程度です。
壁掛けエアコンを連続運転した場合と、間欠運転した場合では、深夜電力料金を加味した電気代は10%程度しか変わらないという試算もあります。
パッシブエアコンであれば、年間で3.600円、月平均で300円程度の差しかないことになります。

またなかなか比較されない事実として、冷暖房費より何か病気にかかってしまったときの医療費の方が断然コストが高いと言えます。
例えば、熱中症やインフルエンザになった際には、医療費に加えて時間的なコストもかなり掛かります。
断熱・気密住宅における罹患率低下の便益を計算した研究では、9,400円/人・年の経済的なメリットが得られるとの試算もあります。

これらを踏まえると、パッシブエアコンにより24時間全館連続空調を行うことにより、より快適・健康的に冷暖房を使うことが出来、省エネや健康にも配慮した快適な住宅環境が得られます!

パッシブエアコンと太陽光発電の相性

パッシブエアコンの24時間全館連続空調に、実は相性ぴったりなのが太陽光発電設備です。
住宅の屋根上に太陽光パネルを設置し、作った電気をまず住宅で使う『自家消費』に回します。
それでも使い切れなかった電気を『売電』するという形での運用です。
これを『自家消費型太陽光発電』と呼んでいます。

実は年々、太陽光発電での売電単価が下がってきている反面、電気代はじわじわと上昇してきています。
以前は太陽光発電で生み出して電力会社へ売電する電気価格のほうが高かったですが、今やそれが逆転してしまいました。

そのため、今までのような太陽光で作った電気を『売る』のではなく、『使う』という形がよりコスト削減に効果的となりました。
そこで組み合わせると効果的なのがパッシブエアコンです。
24時間全館連続空調をしているパッシブエアコン、日中に必要な電気を太陽光発電でまかなうことで、日中に高い電気を買う量を減らすことが出来ます。
また太陽光発電は、停電時にも太陽が出ている間は電気が使うことが可能だったり、蓄電池と組み合わせることで災害時の長期停電に備えたり、より効率的に電気を使うことが可能になります。

快適・健康的な空調選びとは

ある機関が行ったリフォーム・建替後の満足度調査において、検討段階では「室内が冬は寒く、夏は暑い」という温熱環境の悩みや「光熱費が高い」という悩みの優先度がそこまで高くないのにも関わらず、リフォーム・建替後に実際に住んでみてから、不満として多く上がっているというデータもあります。
また、昨今多く取り沙汰されている住宅内でのヒートショックなどの健康被害や、腰痛や肩こりなども住宅内の「寒さ」が原因であるという研究結果や、温かい家は健康寿命を延ばすような結果も出てきております。
最近ではこのような内容がテレビや週刊誌などで取り上げられるなど、今ますます住宅の温熱環境に対する関心は高まっています!

これから長く付き合っていく住まいの温熱環境をご検討される際には『快適さ』と『健康』双方にメリットがあるよう、一歩踏み込んだ形で総合的に検討して頂くことが重要となります!

テクノナガイでは、一般住宅から店舗・オフィス・公共施設や工場まであらゆる建物の空調・設備工事を行い、お客様が求める快適空間を創出しています。
コスト削減やリニューアルにおきましても既設製品のメーカーを問わず対応しますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

パッシブエアコンに関してはOMソーラー株式会社様のサイト(https://passivaircon.com/)もぜひご覧ください。

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