【系統用蓄電池の収益性】
2026.02.24
こんにちは。
法人営業部の酒井です。
今回は、「系統用蓄電池の収益性」について書いていきます。

■ 系統用蓄電池の基本的な収益構造
系統用蓄電池の主な収益源は、電力の「安く買って高く売る」価格差収益です。
日本では、電力の卸取引市場である日本卸電力取引所(JEPX)を通じて電力が取引されています。
電力価格は時間帯や需給状況によって大きく変動します。
蓄電池は、価格が安い時間帯に充電し、価格が高い時間帯に放電することで差益を得ます。
■ 需給調整市場・容量市場からの収益
価格差収益に加えて、近年は「需給調整市場」や「容量市場」への参加も重要な収益源となっています。
需給調整市場とは、電力の周波数を安定させるための調整力を取引する市場です。
蓄電池は応答速度が非常に速いため、この市場で高い評価を受けやすい特徴があります。
特に一次調整力や二次調整力といった分野では、蓄電池の強みが発揮されます。
また、容量市場は将来の電力供給力を確保するための制度であり、一定期間にわたり供給力を提供する対価として収益を得ることができます。
これにより、単純な価格差収益だけに依存しない、複数の収益源を持つビジネスモデルが構築可能となっています。
■ 収益性を左右する主な要因
系統用蓄電池の収益性は、以下の要素によって大きく変動します。
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初期投資額(設備費・工事費)
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電力価格の変動幅
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充放電回数と劣化スピード
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市場制度の変化
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運用戦略(アグリゲーターの能力)
特に重要なのは「運用戦略」です。市場価格の予測精度や最適な入札判断が収益に直結します。
そのため、多くの場合は専門のアグリゲーターと契約し、運用を委託する形が一般的です。
■ 想定利回りの目安
近年の市場環境では、適切な立地と運用がなされた場合、年率10〜20%前後の表面利回りが想定されるケースもあります。
ただし、これは市場価格のボラティリティが高い状況を前提とした数値であり、将来も同様の利回りが保証されるものではありません。
また、制度変更や価格変動リスクを考慮すると、保守的なシミュレーションを行うことが重要です。
売電単価が想定より下振れした場合でも収支が成り立つかどうかを事前に確認する必要があります。
■ リスク要因
系統用蓄電池には、以下のようなリスクも存在します。
・電力価格の低迷
・制度改正による収益構造の変化
・機器トラブルや性能劣化
・接続制約や出力制御
特に制度面の変更は大きな影響を与えるため、最新情報を継続的に把握することが重要です。
■ まとめ
系統用蓄電池は、再生可能エネルギーの拡大に伴い今後も重要性が高まる分野です。
価格差収益に加え、需給調整市場や容量市場など複数の収益源を持つことで、比較的高い収益性が期待できる投資対象となっています。
一方で、市場価格の変動や制度変更といったリスクも伴うため、慎重なシミュレーションと信頼できる運用体制の構築が不可欠です。
今後のエネルギー転換が進む中で、系統用蓄電池は「電気をつくる」時代から「電気をコントロールする」時代への象徴的なビジネスモデルと言えるでしょう。
適切な知識と戦略を持って取り組むことで、大きな可能性を秘めた分野であることは間違いありません。
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