【いま流行りの「系統用蓄電池」について】
2026.01.07
みなさん、こんにちは。
設計部の佐々木です。
今回のブログは、いま流行りの「系統用蓄電池」、計画段階での重要なポイントについて書いていきます。
再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、系統用蓄電池(BESS:Battery Energy Storage System)の重要性が年々高まっています。
出力変動対策や需給調整、系統安定化を目的として導入が進む一方で、実際の計画・設計段階では「思ったより難しい」「検討項目が多い」と感じるケースも少なくありません。
本コラムでは、施工会社の設計部という立場から、系統用蓄電池を検討する際に設計段階で押さえるべきポイントを解説します。
① 系統用蓄電池とは何か
系統用蓄電池とは、
①電力系統に直接接続し
②充放電を制御することで
③周波数調整、出力平準化、ピークカット、出力制御対策
などを行う蓄電池設備です。
需要家側の蓄電池(自家消費・BCP目的)とは異なり、
「系統側の要求条件」が設計の起点になる点が大きな特徴です。
② 設計部が最初に確認するポイント
- 連系条件・系統要件
設計段階で最も重要なのが、
電力会社から提示される連系条件です。
①連系電圧(特高・高圧)
②有効電力・無効電力制御の要否
③出力変動抑制・指令対応
④保護協調条件
蓄電池容量の検討よりも先に、系統要件を正確に把握することが不可欠です。
- PCS(パワーコンディショナ)の選定
系統用蓄電池ではPCSの役割が極めて重要です。
設計部として特に確認する点は以下です。
①定格出力と最大皮相電力の関係
②無効電力制御範囲
③連系保護機能(外部保護リレーとの役割分担)
④将来的な出力制御ルール変更への対応可否
「蓄電池容量に対してPCSが過不足ないか」だけでなく、
系統運用を前提とした性能確認が必須となります。
③ レイアウト・設備配置での注意点
- 蓄電池コンテナの配置
系統用蓄電池はコンテナ型が主流ですが、設計では以下を重視します。
①消防・離隔距離の確保
②メンテナンス動線
③将来増設の余地
④騒音・排熱対策
後から変更が効かないのが配置計画のため、
初期段階での検討が非常に重要です。
- 変電設備・ケーブル設計
①高圧/特高ケーブルの敷設ルート
②電圧降下・短絡電流の検討
③接地方式(B種・C種等)
これらは現地条件によって最適解が大きく変わる部分であり、
机上検討と現地調査の両立が欠かせません。
④ 設計部の立場から見た「よくある課題」
設計段階でよく直面する課題として、
①事業スキームが固まらないまま容量だけ先行して決まる
②系統協議後に仕様変更が発生する
③蓄電池メーカー仕様と電力会社要件の不整合
といったケースがあります。
系統用蓄電池は「電気設備+系統ルール」の設備であり、
早い段階から設計目線での整理が重要だと感じています。
【まとめ】
系統用蓄電池は、
「蓄電池を置けば終わり」の設備ではありません。
①系統要件
②PCS性能
③設備配置
④将来運用
これらを総合的に設計段階で整理することが、
事業の安定運用につながると私たちは考えています。
設計部として、今後も実務で得た知見を発信していきます。
本日も弊社ブログをご覧いただきまして、ありがとうございました。







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