自家消費型太陽光、売電する?売電しない?
2024.09.09
皆さんこんにちは!
新潟での自家消費型太陽光・蓄電池のことならテクノナガイソラーレにお任せ!
テクノナガイソラーレの渋谷です!
近年の電気料金の高騰を受け、数年前から企業様での自家消費型太陽光発電を検討されるケースが非常に増えてきました。
私も設計部として様々な企業様の太陽光発電設備の構成設計を日々行っているのですが、
太陽光発電で発電した電気をまず自家消費した(自分で使った)場合、場合によっては消費電力量より発電電力量が上回り、
余ってしまう電力(余剰電力)が発生する場合がございます。
その時の余った電力をどうするべきか? 売るべきか、調整して余らないようにするべきか・・・
と、疑問に思われる方も多いようです。
そこで今回は太陽光発電の余剰電力を『売電するべきか』 それとも『余剰電力を出さず、調整するべきか』
2024年現在の最新情報をお話しようと思います。
※太陽光発電の買取制度について今後変更となる可能性がございます。最新情報に関しては別途ご確認ください。
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自家消費型の太陽光発電設備を導入する際、太陽光パネルやPCS(パワーコンディショナー)の設置数次第では、
実際にその建物で使う電気の使用量を上回る発電量を得られる場合があります。
また、企業様が稼働されている日であれば日中の発電電力が消費電力を上回ることがなくても、
休日で企業様内の電気使用が少ない日だと、発電電力が消費電力を上回ってしまうこともございます。
そのように余った電力をどうするのか? という場合では現状2パターンの対策がございます。
1つ目が『余剰売電』 余った電気のみを電力会社に売電する方法です。
2つ目が『負荷追従』 使用電力に応じて、発電電力をコントロールして、必要な量だけ発電する方法です。
『余剰売電』と『負荷追従』 この2つのやり方があると説明しましたが、それぞれどのような違いがあるのでしょうか?
ここでは、それぞれのメリット・デメリットを説明してみます。
【余剰売電について】
<メリット>
〇余った電気を売ることが出来るので、自家消費で削減できる電気代に加えて、売電収入を得られる。
※同じ量の電気の『自家消費』『余剰売電』を比較すると、余剰売電の単価が安いためメリットは薄くなります。
<デメリット>
〇余剰売電量を確保しようとすると、設備規模を大きくする必要がある。(高コスト)
〇太陽光発電設備の容量によっては、余剰売電できる量に上限が決まっている。
〇余剰売電に関する申請に時間がかかる。 =発電開始まで時間がかかる。
〇電力会社から送られる出力制御スケジュールに基づいての出力制御対応が必要になる。
〇余剰売電できない設備内容や地域がある。(詳しくは次項にて解説します。)
【負荷追従について】
<メリット>
〇原則として建物の消費電力に合った太陽光発電の設計を行うため、設備費の無駄が少ない。(低コスト)
〇余剰売電と比較して、申請にかかる時間が少ない。 =発電開始が早い。
<デメリット>
〇余ってしまう電気が出ないように発電コントロールをするため、その分の発電量は捨てることになる。
このように『余剰売電』『負荷追従』 それぞれにメリット・デメリットがあります。
なかなかイメージしにくいとは思いますので、弊社パンフレット内の図を抜粋します。
この図はあくまで一例ですが、青が消費量 オレンジが発電量となります。
『余剰売電』ではオレンジの発電量が消費量を上回った部分があり、その部分が『余剰売電』という形で
電力会社に売られ、売電収入を得ることが出来ます。
一方『負荷追従』では消費量を上回らないように発電をコントロールし、売電が発生しないようにします。
一見すると売電収入がある『余剰売電』が得するようにも見えますが、実は後々のことまで考慮すると
『負荷追従』の方がメリットが出る場合もございます。
もちろん、これは太陽光発電設備の設置条件によって変化します!
その建物にはどちらが適しているか、設計内容によって変わってきますので、この点はぜひ
施工店とよく話し合ってどちらのパターンにするべきかしっかり検討が必要です!
発電した電気を自家消費し、それでも使い切れずに余った電気を売電する のが『余剰売電』ですが
実は設備内容や地域によっては余剰売電が出来ない場合も存在します。
まず、太陽光発電の固定価格買取制度(FIT制度)を使って売電を行う場合、太陽光発電設備の容量が
10kW以上50kW未満の案件では『30%以上の自家消費』が求められます。
この容量の太陽光発電については、その建物で消費される電力より過剰に大きい太陽光発電設備を設置して、
売電量を多くしようとするとこの要件に引っかかってしまう場合がありますので、注意が必要です。
また、こちらは管轄の電力会社に確認が必要ですが、売電がNGになる地域もございます。
我々が日頃使っている電気は『需要と供給のバランス』が非常に重要です。
例えば、需要が少ない地域に過剰な電気を流すことは、様々な電気設備に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、そういった理由で『この建物は売電がNG』と判断されるケースも一部ございます。
売電ありで検討する場合は、事前に管轄の電力会社に売電の可否をしっかり確認することが重要です。
『余剰売電』の場合、電力会社から「売電NG」と判断されてしまうケースがあることをご説明しました。
やはり可能であれば売電収入がある『余剰売電』が得するようにも見えることが多いかと思います。
しかし、余剰売電ありきで考えてしまうといろいろ落とし穴もございます。
場合によっては負荷追従での対応の方が良い場合もありますので、
①余剰売電重視の設備より、負荷追従重視の設備の方が低コスト
これは「実際にどのような設計を行うか」にもよるお話なのですが・・・
余剰売電を行わない『負荷追従型の自家消費型太陽光発電』の場合は、その建物の消費電力量をちょうどよく
削減できる程度の太陽光発電設備を設計します。あまり無駄が出ないように設計を行う形です。
この場合、余剰売電での売電量もそこまで多くないため、追加の申請期間などを踏まえると、
早く設備を稼働させたいという希望で負荷追従での稼動を行う場合もございます。
ここからは注意して頂きたい点なのですが、よくある話として、例えば余剰売電をする前提に話を進めると
「負荷追従では建物屋根の50%に太陽光パネルを設置すれば発電量は十分だけど、
せっかく余剰売電するのだから発電量を多くするために建物屋根の全面に太陽光パネルを設置しよう」
という話になることがあります。
この場合、太陽光パネルの枚数も増えることで施工範囲も増えるため、必然的に設置費用が多くかかってしまいます。
「売電用に増やした太陽光パネルで得られる売電金額をしっかりシミュレーションして、メリットがあるかどうか」
これをしっかり確認した上で検討する必要があります。
②出力制御によって、想定していた売電量が出ないことがある
2024年現在、10kW以上の売電を行う太陽光発電設備では『出力制御』が行われる可能性があります。
※詳しくは資源エネルギー庁 なるほど!グリッド 出力制御についてをご覧ください。
この出力制御に関しては、年々かかる頻度が増えております。
制度により、年間で出力制御される上限時間は決まっているものの、基本的に出力制御対象となるのは
春の発電量が多く、電力需要が低いタイミングが多くなります。(ゴールデンウィークなど)
この出力制御により思ったより売電が出来ないため、想定より売電収入が少なくなる というパターンもございます。
『余剰売電』を選択することは、せっかく発電した電力を抑制せずに無駄なく活用する手法ではあるのですが
売電収入を得ようと過剰な設計をした結果、思ったよりメリットが出なかった というパターンも耳にします。
少しでも余剰電力が出てしまうと『売電したほうがお得』と考える方も多いですが、
売電を重視するあまり、自家消費型太陽光発電のメリットを削ってしまうのは本末転倒です。
ぜひ検討される際は、細かいところまでしっかり相談し、比較検討した上で決定することが好ましいと思います。
<ここからは弊社のPRのお話>
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本日もお読みいただきありがとうございました!