太陽光コラム

2022年から実施!太陽光発電設備の廃棄費用 外部積立制度とは?

皆さんこんにちは!

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テクノナガイの渋谷です!

 

先日、経済産業省の資源エネルギー庁より『太陽光発電設備の廃棄等費用積立制度』に関するメールが太陽光発電事業者に向けて配信されました。

2020年2月25日の法改正閣議決定にて決定したこの制度、実はあまり知られていないのではないでしょうか。

 

今回はこの制度が「どういう目的なのか?」「どのような条件なのか?」などを踏まえて分かりやすくご説明致します。

 

 

===目次======================

  1. 太陽光発電設備の廃棄等費用積立制度とは
  2. この制度の目的
  3. この制度の内容と積立開始時期
  4. 積立金の取り戻し条件は?

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1.太陽光発電設備の廃棄等費用積立制度とは

冒頭でも書きましたが、先日経済産業省の資源エネルギー庁より『太陽光発電設備の廃棄等費用積立制度』に関するメールが太陽光発電事業者に向けて配信されました。

実際弊社で太陽光発電設備を設置されたお客様はもちろん、弊社も太陽光発電設備を所有しているためこのメールが届きました。

「これはどういうことだろう?」と弊社にも実際お問い合わせを頂きました。そのため、これに関して疑問に思っている方も少なくないかと思います。

 

この制度は2019年11月に経済産業省から発表された「パネルの廃棄費用として10年間の積み立てを義務化する」という方針が基になり、2020年2月25日に閣議決定されています。

対象となるのは、固定価格買取制度(FIT制度)を利用した10kW以上の太陽光発電設備です。

 

今回の廃棄費用積立制度に関しては、2021年9月に資源エネルギー庁がガイドラインを公表しております。こちらもご覧ください。

(参考リンク:廃棄等費用積立ガイドライン 2021 年9月公表 資源エネルギー庁)

 

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2.この制度の目的

それではこの制度の目的とはどういったものでしょうか?

実はもともとFIT制度の買取価格には『設備の廃棄費用』が盛り込まれていました。

本来は買取価格の一部から太陽光発電事業者が廃棄費用を積み立てて管理しておくべきなのですが、実際には廃棄費用を確保はおろか保守やメンテナンスまでまともに行わない悪質な事業者が散見されました。

これは再生可能エネルギーが急速に拡大したこと、また太陽光発電事業は比較的参入しやすく大小様々な事業者が参入したことも要因として考えられます。

 

太陽光発電設備の廃棄時に問題になる点は特に太陽光パネルがあり、これには鉛などの有害物質が含まれています。そのため、適切な廃棄処理をされずに放置されたりすると土壌の汚染などの恐れがあります。

 

政府の2050年カーボンニュートラルを目指す発言を受け、今後はより一層再生可能エネルギーが広まってくると予想されます。

再生可能エネルギーが広まるにつれ、やはりこういった問題に対する回答はしっかり用意しなければいけないものです。今回の積立制度による義務化は、そういった太陽光発電設備の不法投棄などを防ぐことが目的と考えられます。

 

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3.この制度の内容と積立開始時期

上の記事でもこの制度の内容に少し触れましたが、改めてこの制度の内容と積立開始時期についてまとめます。

 

<制度の内容>

 太陽光発電設備の固定価格買取制度が終了した際の設備廃棄費用の積立を行う

 

<対象者>

 10kW以上の太陽光発電設備を有する全て事業者

  ※全量売電・余剰売電どちらも対象

 

<制度開始時期>

 2022年7月1日からスタート

 

<積立開始時期>

売電期間終了まで残り10年目の日以降から売電期間終了まで(10年間)

  ※2022年7月1日以前に残り売電期間が10年未満になっている場合、2022年7月1日以降の検針日から残り売電期間までの積立

 

<積立の金額>

   ※出展:廃棄等費用積立ガイドライン 2021 年9月公表 資源エネルギー庁

 

<積立の方法>

 売電金額から積立金の分を差し引かれる仕組み

 

以上のような形です。

10kW以上の太陽光発電設備では、固定価格買取期間は20年あります。

太陽光発電設備は概ね10年で投資回収をすることをベースに設計されることが多いので、11年目から積立が開始されるような形になったのではないかと予想されます。

 

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4.積立金の取戻し条件は?

この制度で積み立てられた積立金はどのような場合に取り戻せるのでしょうか?

ガイドラインの記載では下記の5つになります。

 

 <調達期間中> (FIT制度での売電期間中)

 〇発電事業を終了する

  ➡基礎・架台を含めた発電設備の全体を解体・撤去する場合

 〇発電事業を縮小する

  ➡廃棄される太陽光パネルが認定されている太陽光パネルの15%以上かつ50kW以上の場合

 

 <調達期間終了> (売電終了後)

 〇発電事業を終了する

  ➡基礎・架台を含めた発電設備の全体を解体・撤去する場合

 〇発電事業を縮小、または一部の太陽光パネルを交換する

  ➡廃棄される、または交換される太陽光パネルが認定されている太陽光パネルの15%以上かつ50kW以上の場合

 〇全ての太陽光パネルを交換する

  ➡認定された当初の太陽光パネルを全て交換する場合

 

発電事業を終了する場合はもちろんですが、発電事業を縮小・一部の太陽光パネルを交換する場合も取り戻すことは可能です。ただしこちらは認定容量の15%以上かつ50kW以上である場合となっているので、条件としてはなかなか厳しいものになっています。

 

また、取戻し申請には解体を行うことを証する書面や費用額を証する書面(見積書など)が必要になること、提出した上での審査や解体後の確認資料の提出もあるため、そこもしっかり頭に入れておくことが重要です。

 

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早い方では2022年7月から開始される『太陽光発電設備の廃棄等費用積立制度』

「備えあれば患いなし」といった制度ではありますが、実際に事業が終わって廃棄されるのは特別な理由がなければ当面先になる場合が多く、実際に積み立てられる金額で廃棄額に足りるのかなど、まだまだ分からない点も多いかと思います。

どれくらいの廃棄費用になるのか分からない点もありますので、この積立制度で積み立てられる金額に加えて、ある程度は積立として用意しておきたいものです。

 

太陽光発電設備を廃棄する際に大きなネックになってくるのは太陽光パネルの廃棄についてかと思われます。

以前は特殊な構造でリサイクルが難しかった太陽光パネルですが、リサイクル技術の進歩により、徐々にリサイクル対応できるところが増えてきています。

実際に太陽光発電設備の大量廃棄が始まる頃には、しっかりしたリサイクル技術・手法が確立され、廃棄費用も少しなりとも緩和できるようになれば・・・と考えています。

 

 

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本日もお読みいただきありがとうございました!

 

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【2022年1月13日追記】

弊社にも東北電力からこの積立制度に関する書面が届きました。

おそらく東北電力管轄の各発電事業者の下に送付されていると思われます。

今後、各電力会社からこのようなお知らせが送られてくるものと思われます。

書面をお読みになってご不明点などある方は、管轄の電力会社や経産省にお問い合わせください。

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