太陽光コラム

電力インフラ強化の重要性と『マイクログリッド』とは

皆さんこんにちは!

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テクノナガイの伊藤です!

 

昨今の日本国内では豪雨や台風、地震などの自然災害による大規模停電がたびたび起こっています。

中でも、九州の豪雨災害や台風による千葉県の大規模停電などが記憶に新しいかと思います。

このような自然災害での大規模停電を受け、日本国内では改めて電力の安定供給のため、電力インフラ強化の重要性が認識され始めています。

 

それに関連したワードとして、最近話題にあがることがあるこの『マイクログリッド』という言葉。

今回はこの『マイクログリッド』について解説します!

 

 

 

===目次======================

  1. マイクログリッドってなんのこと?
  2. マイクログリッドのメリット・デメリット
  3. マイクログリッドの事例
  4. 今後の動向

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1.『マイクログリッド』ってなんのこと?

『グリッド(grid)』という言葉は、英語で「格子状」や「送電網」「配管網」などを表す単語です。電力用語としては「送配電網」や「送配電系統」のことです。

この『グリッド』という言葉が表す通り、『マイクログリッド』とは電力の仕組みの一つです。

 

通常、電力と言えば火力や原子力などの大型発電所で大量に作られたものが送電線によって、施設や住宅などに供給されています。

ところが、こうした電力供給システムでは、鉄塔などを利用して長距離に送電を行わなければなりません。

その際に発生する多くの電力損失や、鉄塔を建築するための環境問題への影響、災害などで送電線に障害が起きてしまえば、広範囲の地域が停電になってしまう危険性もあります。

 

そこで注目されているのがこの『マイクログリッド』という仕組みです。

この仕組みは、電力を使用する場所の近くに小規模な発電施設を設置し、分散型電源を利用することで安定的に電力を供給するという仕組みです。

小規模な発電施設には、太陽光や風力などの自然エネルギーが用いられることが多く、地域で作ったエネルギーをそのまま地域で使うエネルギーの地産地消が出来ることも話題となっています。

 

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2.マイクログリッドのメリット・デメリット

マイクログリッドのメリットとデメリットについて簡単にご説明します。

 

 

  <マイクログリッドのメリット>

  •  〇送電ロスが少ない・送電のためのエネルギー使用量が削減できる

通常、大規模な発電施設で作られた電流は、30~50万ボルトという高電圧にされて送電線で送られます。その電気は一度地域の変電所に送られてから、各施設や住宅などに届けられています。それぞれ電気を使う規模や用途に合った電圧に変更する必要があるので、このような形が取られています。

しかし、電気を送る距離が長ければ長いほど、その間に生じる電力ロスが大きくなります。そのため、送電に使うエネルギー量も増え、CO2排出など環境への影響が大きくなります。

 

しかし、マイクログリッドは電力使用者(施設や住宅)の近くに比較的小規模な発電施設を設置し、そこから電力を供給するため、上記のような問題が比較的軽減され、太陽光や風力などの自然エネルギーを活用した発電施設であれば、環境への影響も少なくなります。

また、供給元から使用場所への距離が近いこともあり、電力ロスもほとんどありません。

 

  •  〇災害時の大規模停電を軽減できる

災害時など、送電線になんらかのトラブルが発生した場合、使用場所に電気が届かなくなり停電が起こります。

場合によっては、電気を送るための大きな送電施設になんらかの障害が起き、復旧に時間がかかってしまう場合もあります。復旧されるまで、その送電施設に関係する地域全体で電力を使えないことになります。

通常の電力会社からの送電網がそのような障害で途切れた場合には、マイクログリッドで構築されている自立した送電網を使うことによって、その地域に電力を供給することが出来ます。

 

 

 <マイクログリッドのデメリット>

  •  〇設置場所の地形や天気・気候の影響を受けやすい可能性がある

太陽光や風力などの自然エネルギーを活用した発電方式を採用しているマイクログリッドでは、地形や天気・気候といった影響を受けやすくなります。

 

  •  〇設置場所の電気使用傾向が似たような動きになる

また、マイクログリッドのエリア内の電気の使い方によっては、非常に似た使用傾向になる場合があり、ピーク時・非ピーク時の使用曲線が急こう配で変動する可能性があるというのも安定供給を目的とする点ではデメリットとなります。

 

 

このようにメリットも大きいマイクログリッドですが、やはりデメリットもございます。

例えば、複数の発電方法を組み合わせる・蓄電池を合わせて導入するなどで、どのように課題を克服できるかが、今後のマイクログリッド普及のカギとなると言えます。

 

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3.マイクログリッドの事例

マイクログリッドの事例は海外だけでなく、日本でもすでに事業として始まっている地域などもあります。

 

  • <沖縄県宮古島市 来間島(くりまじま)>

2020年9月に来間島における地域マイクログリッドの構築事業が始動すると発表されました。従来は宮古島から送電されている電気ですが、今回の地域マイクログリッドにより地域の再生可能エネルギーを一定規模のエリアで利用する形で調整を行います。

平常時は太陽光発電などの再生可能エネルギーと蓄電池を活用して効率的に当該エリアへ電力を供給し、災害などによる大規模停電などの非常時においては、大元の送配電ネットワークから切り離し、自立的に当該エリアへ電気を供給する事が可能となるとしています。

 

  • <和歌山県白浜町 南紀白浜空港>

南紀白浜空港は2050年カーボンニュートラルの実現とレジリエンスの強化を目的とし、空港施設と2022年6月に開業予知の空港ビジネス拠点での再生可能エネルギー電力を融通する計画を発表しました。

南紀白浜空港では敷地内に約2.5MWのメガソーラー「南紀白浜ソーラーウェイ」を運営していますが、今回は空港敷地内に新たな太陽光発電設備を整備し、南海トラフ地震など災害時のレジリエンスを高める目的としています。

将来的には、これらの仕組みを近隣地域などに広げることで、余剰電力を地域内で融通しあうマイクログリッドの構築など、地域のレジリエンス強化につながる取り組みを目指すとしています。

 

このほかにも神奈川県小田原市、千葉県いすみ市、北海道松前町など各地でマイクログリッドの計画が発表され、動き始めています。

 

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4.今後の動向

従来の電力インフラは大規模・集中型のため、自然災害などで大規模障害が起きた場合は広範囲の停電となり、リカバリーに時間がかかってしまうことが多くあります。

これに対して、レジリエンスの強化の方策として、地域に存在する再生可能エネルギーや未利用熱を一定規模エリアで面的に活用する「分散型エネルギーシステムの構築」が様々な点で効果的であると言われています。国としてもこれを推進する施策を行っています。

 

『マイクログリッド』もそのうちの1つです。

こういった「分散型エネルギーシステムの構築」については、地域の需要家の合意、事業の採算性や法の整備、安全性の担保などハードルがいくつもあることも指摘されています。

 

 

 

『マイクログリッド』はまだまだ動き始めたばかりで、技術検証などもこれから進んでいく分野の話ではありますが、今後の災害対策のため徐々に広がりを見せていくのではないかと思います。

あなたの住んでいる町や地域でも、やがて『マイクログリッド』が始まるかもしれません。

 

 

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本日もお読みいただきありがとうございました!

 

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